Step by step ワークライフコンサルタント日記

「半分」は、「半分しかない」?「まだ半分もある」?

2022年4月号掲載

 

コップの中に水が半分入っています。「もう半分しかない」と捉えますか?それとも「まだ半分もある」と捉えますか?別の例で考えてみましょう。夏休みの宿題を8月30日に「1日しかない!」と思いますか?「あと1日ある!」と思いますか?

「もう○○しかない」「まだ○○ある」という捉え方のどちらが良いか悪いかというのではなく、物事の視点を少し変えてみるということです。そうすると、行き止まりと思うことの道が開け、考える幅が広がるのです。このように、視点を変えることをリフレーミングといいます。物事の枠組み(フレーム)を変えて見る(リフレーム)と、違う景色に見えるという意味です。

例)飽きっぽい、短気→変化に柔軟に対応できる

  動作が遅い→慎重、丁寧

(他にもたくさんあります。ネットで「リフレーム」を検索してみてください。)

例のように、ある一つの方向だけでなく少し角度を変えて見ることで、視野や可能性が広がっていくのがおわかりになると思います。しかし、その一つの方向を「当たり前」と思うとリフレームをしにくくします。自分が思う「当たり前」は、自分の価値観なので相手も同じ価値観とは限りません。自分はそう思うけど相手は違うんだということを意識すると良いでしょう。

リフレームのわかりやすい例を挙げます。子どもが宿題を全部やらずに半分残して終わらせた場合、冒頭の「コップの水」に当てはめてみましょう。宿題を「半分しかやってない」ではなく、「半分がんばった」と置き換えるとどうですか?

つまり、「半分しかやってない」=「全部終わらせて当たり前だ」となりますが、「半分がんばった」=「半分出来ていることを認めている」と、プラスの意味を持つことができるのです。

そうは言っても宿題を半分しかやってないことを「ここまで出来たんだね。がんばったね」と言うのは、躾や教育のことを考えるとどうなんだろう・・と頭の中をよぎることでしょう。もちろん「宿題は全部こなす」「きちんと終わらす」ことは大事なことです。

でも「全部終わらせないとだめじゃないか」ということを伝えるには、少なくても「ここまで出来たんだね」を言ってからでも良いと思いませんか?「半分できたんだね。じゃあ残りもがんばってみよう」「半分まで終わらせたんだね。もう半分で全部終わるよ」など、最初から「全部終わってないじゃないか」と言われるのとではどう感じますか?

視点を変えることで、相手を受け入れやすくなり、その結果ポジティブなことを伝えることができます。一つの側面だけではなく、いろいろな方向から見ると新しい気づきも、心の余裕も生まれますので、ぜひ試していただくと良いと思います。

さて、みなさんはなぜ怒るのでしょう。怒る理由を考えてみたことがありますか?次回は「怒る」ことについてお伝えします。