2023年1月号掲載
これまで「子ども」に対する考え方や、対応方法のヒントをお伝えしてきました。ただ、それを実践していくことは、親として忍耐、柔軟性など、日々常々かなりのエネルギーを使うことと思います。特に成長している子どもに対応をしている場合は、「時間」との戦いです。ゴールがいつなのかわからないということは、私たちのモチベーションは知らずうちに緊張状態が続いているのです。そうして消費したエネルギーは、補充していかないと、今度は自身の生活や健康に影響が出てしまいます。そうならないためには、少しでも自分が自分でいられる時間、環境を整えることが大事になってくるでしょう。その手段は、趣味、仕事、人と会う、話をする、運動する・・・など、「自分のための○○」という自分自身のケアになることを見つけることです。そうした時間で心のエネルギーを貯めていくことで、抱えている問題の解決に見通しが立ちそうにないという状況であっても、その中でどうにか踏ん張れる力が生まれます。以前の記事で、子どもの心のエネルギーを貯めてあげることが大事ということを書きましたが、それと同じことです。
親の心の元気かどうかは、子どもの心にも影響を与える、ということを覚えておいてほしいと思います。心が元気であれば、考え方が活動的になり、気持ちが前を向き、忍耐強さや心の余裕などが生まれ、そういう環境の中、子どももその影響を強く受けるからです。そのために、親自身のケアが必要なのです。
たまに「今疲れているかも・・」「悶々としているなあ」などと、自身の状態を日々の問題から離れて、俯瞰してみると良いでしょう。自分の状態に気づくことは、抱えている問題の全体を見るうえでとても大事です。それでも鬱々とした日が続いたり、よく寝られないなど生活に影響が出てきた場合、カウンセリングなどの専門職の力を借りることも大切です。
自分自身をケアして大切にすることは、他人も大切にすることにも繋がることを心に留め置いておくと良いでしょう。