Step by step ワークライフコンサルタント日記

子どもの自主性と親の意見の戦い

2022年9月号掲載

 

子どもの自主性を尊重することが大事で、親は見守る必要があると、前月お伝えしました。では、どこまで自主性を尊重し、親はどこまで関われば良いのでしょう。

親が先回りした対応は子どもの自主性が育たない、でも判断が未熟な子どもにはそこまで任せられない。子どもの気持ちや考えを尊重してあげたいが、さすがに受け入れがたい内容だ。このような場面は、習い事や進学に関することなどによく見られるかと思います。どこまで任せ、どこまで関わるのか、線引きが難しいところです。話し合いをしてもつい喧嘩になってしまったり、感情的になってしまったりということもあるのではないでしょうか。

まずは大人が冷静になり、子どもが主張してきたことに振り回されないことです。そして、子どもは経験が浅いため、判断材料として考える幅が大人よりも狭いのであくまでも参考意見として聞くことです。例えばそれが親の判断ではNGだった場合には、その理由をきちんと子どもに話すことが大事です。なぜそれがダメなのか、なぜ親はそう判断したのかを丁寧に説明してあげるのです。

このときに、親の心構えとして、相手が子どもだと思うと親子の力関係が自ずと出てきてしまいますが、子どもが同僚や近所の人と置き換えてみると、丁寧に「聴く姿勢」が持てるのではないでしょうか。

普段、家庭内で話し合う経験の少ない子どもにとって、最初は自分の考えが出ないこともがあるかもしれませんが、繰り返し丁寧に対応することで考えが出せるようになっていきます。そうして話し合って決めていくことで、子どもは自分の話を聞いてもらえたという経験ができ、例えば思春期の子が困難な場面にあった時など、「相談しよう」と思う力になるのです。人に助けを求めるという手段を知っておくことは、非常に大事です。

親は踏ん張りどころではありますが、子どもではなく「同僚」「近所の人」と思って対応してみましょう。視点を変えることもポイントです。